こちらのブログを一年近くも放置しておりました。
日々の雑感についてはフェイスブックで書くことが
多くなったためですが、考えてみたらフェイスブックは
お友達しか見えない投稿が多いので、こちらもきちんと
更新していこうと思います。
今日はたまたま、遺骨の改葬について、相続のご相談ついでに
聞かれました。
実は、私、改葬をしたことがあり、(全くの他人の遺骨ですが)
聞かれれば結構答えられます。
誰でも、自分のご先祖様のお墓の近くで一生を過ごすわけでは
ありません。遠くになってしまった場合、自分の居住地の近くに
移したいと思っても不思議はありません。
私は、成年後見をしているご本人のお母さまの遺骨を
他県から宮城県に改葬しました。その他県のお寺にある
お墓には他にも多くの親族の方の遺骨が埋葬されていたので、
そのお墓自体はご親族が継承されることになりましたが、
私の被後見人さんは独身で子供もいないので、ご本人が死亡後は
永代供養にしたい、その際に亡くなっているお母さんの遺骨も
一緒にしたい、というご希望でした。
なので、そこのお墓の中からお母さんのものと思われる遺骨を
取り出して、宮城の永代供養墓の管理者であるお寺さんに
持っていくという事実上の作業と、役所における改葬許可申請を
一日で行なったのです。
まず、宮城で永代供養墓を所有しているお寺さんと契約を結び、
その後他県のお墓があるお寺さんに行き、改葬許可申請書に
証明印を頂いて、役所に行きました。役所の手続きは数分で
終わりました。そして、その許可を受けたことをお寺に確認して
頂いて、いざお墓を開けていただきました。
その「お墓を開ける」という具体的なことに、なかなか頭が
回らなかったので、お寺に行ったときにご住職から
「石屋さんは呼びましたか?」と言われ、唖然としてしまいました。
そうか、そういう手配も必要だったのね、と。その時はご住職が
すぐに石屋さんを電話で呼んでくださって、たまたますぐに来てくれて
助かりました。
そして、お墓を開けてみたら、どれが誰の遺骨なのか、さっぱり
わからない状態になっていました。
お墓を開けて覗く、そこから遺骨を取り出すという、初体験で
冷静さを失っていたこともあり、自分ではどうすればいいのか
分からなかったので、ご住職や石屋さんのアドバイスのもと、
遺骨を取り出すところまでは良かったのですが、再度ご住職が
「骨壺か何か、お持ちですか?」と聞くので、あぁ~、それもか、と
絶望的な気持ちになりました。そこもご住職のご厚意により
お寺に余っていた(かどうかは不明ですが)骨壺を下さって、
おまけにご住職のお母さまが風呂敷まで用意してくださって
無事、車に遺骨を積み、宮城に戻って来ることができました。
宮城では、永代供養墓への納骨は、お寺さんでやってくださる
とのことだったので、とにかく遺骨と改葬許可証をお渡しして、
無事お役目を終えることができました。
そんなことまで、成年後見人がしなければいけないの?と
時々質問されますが、おそらく、後見人の職務ではないと
言うべきかもしれません。
他にやる人がいない、あるいは私がやったほうがスムーズに
事が運ぶであろうことについては、私は深く考えないで
「やりますよ」と言ってしまうのが悪い癖ではありますが、
元来の好奇心旺盛な性格が災いしているのかもしれません。
現在、成年後見人としての資格は、ご本人が死亡したら
消滅してしまいますので、死後の葬儀等についてはもともと
後見人の業務ではないのですが、事実上、やらざるを得ない
こともあるのが実際のところですが、これについては民法改正の
動きもあるようです。
今後ますます需要が増えると思いますが、私なりの後見業務を
考えながら(越権行為とか権限乱用にならないように)務めて
いきたいと思います。
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